うちの近くに比較的お客さんの多い蕎麦屋がありました。

おやっさんが一人で経営しておったのですが、安いし早いし、味も独特でちょっと病みつきになる感じの蕎麦だったんです。

その味というのが、関西出身の人が見たら腰を抜かすくらいの真っ黒なしょっぱい汁。

初めて来た人は、

「おっさん、ここの汁しょっぱいわ。」

と文句を言うこともありましたが、おやっさんはこれがうちの味だからと言って汁の濃さを変えず頑なに塩ッ毛の濃い汁を作り続けたんです。

そんなわけで、店に来るのは工事関係や鳶なんかのガテン系の人、大型トラックの運ちゃんが多かったのですがいつ行っても店はなんやかやで混んでいたんです。

店に入れなくて並んでるときもありました。

そのしょっぱさがちょっと病みつきになるんですよ。

 

それがあるとき、おやっさんがしばらく入院することになってしまい、店をときどき手伝っていた息子さんに世代交代することになりました。

ワイも久しぶりにそこの蕎麦屋に行ってみたのですが、なんとびっくり、店がガラガラ・・・

客が自分一人しかいないんです。

なんでやろ?・・・(^p^)

メニューを見ると値段は前と一緒でした。

おそるおそるいつもの肉そばを注文してみました。

すると・・・

はあ、なるほど、見た目はおやっさんの頃と一緒なんですが、汁がぜんぜんしょっぱくなくて普通の味(濃さ)なんですよ。

おやっさんの頃のインパクトがなくて、ごく普通の蕎麦屋の蕎麦の汁やん?みたいな。

ここのお客は、あのめっちゃしょっぱい味のインパクトの強い汁をすすりたくて来ていたので、それがなくなって誰も来なくなってしまったようです。

拍子抜けしちゃったのかも知れませんね。

しかも、もともと立地があまりいい場所じゃありませんでしたからわざわざ行くまでもないと。

 

息子さんも自分なりの工夫だったのかもしれませんが、あれだとワイもまた行こうとは思いません。

普通の味ならもっと近くに安い蕎麦屋がありますし。

個人が経営する飲食店の場合はポリシーを変更するのは危険なのかも知れませんね。

一回期待していた味と違う、たいして旨くないと思われると、なかなかお客さんが帰ってきませんので。